内容
1年をかけて仮説の検証とバージョンアップを繰り返した結果、Googleの優れたマネージャーは次の8つの特徴を持っていることが判明しました。
①良いコーチである
②チームを勢いづけ、マイクロマネジメント(過度な監視・指示・干渉)はしない
③チームのメンバーが健康で、成果を出すことに強い関心を持つ
④生産的で成果主義である
⑤チーム内の良き聞き手であり、メンバーと活発にコミュニケーションをしている
⑥チームのメンバーのキャリア形成を手助けしている
⑦チームのためのはっきりとしたビジョンや戦略を持っている
⑧チームのメンバーにアドバイスできる専門的技術や知識を持っている
興味深いのは、この8つの並びが「重要度順」であるということです。
つまり ①が最重要で、⑧は優先順位が最も低いのです。
インドネシア拠点のハイパフォーマー分析から抽出された特徴的な「思考・行動様式」は、以下のようなものでした。
・自分の専門分野にとどまらず、他部門の領域にも積極的に関わる(たとえばクリエイティブ部門の社員がメディアプランに関しても意見を出すなど)
・アーティスティックな広告で賞獲りを狙うのではなくクライアントのビジネスを伸ばすためのベストを追求する
・クライアントからの依頼がなくても自主提案を行う
インタビュー
本題のインタビューを行う。
インタビュイーが自身の職務内容や成果に対してどういう認識を持っているかを確認し、過去の印象的な成功体験、あるいは失敗体験について、思考や取った行動をあくまでファクトベースでヒアリングする。
・現在の職務内容を簡単にご説明ください。
・あなたの職務における「成果」とは何だとお考えですか?
・ここ1 ~ 2年に経験したなかで、特に印象に残っているプロジェクトについてお聞かせください。
・困難な局面に直面した時、どのように対応しましたか?
・なぜそのような対応をしたのですか?
・プロジェクトを成功(あるいは失敗)させるうえで、ポイントになったのはどういうことでしたか?
・そのポイントについて、具体的なエピソードをお聞かせください。(時間が許せば、複数の印象的な事例について聞く)
ハイパフォーマー育成
洋の東西を問わない「ハイパフォーマーが育つ2つの条件」が明確になりました。
①早い(若い)段階でハイパフォーマーに出会うこと
②真似るべきポイントを言語化すること
7つの行動様式
会社や国の枠を超えて、多くの会社や集団に共通する項目が存在したのです。
それが、次の7つの思考・行動様式です。
①「なんとかなる」と思ってやってみる
②柔軟に方向転換する
③自分とは異なる価値観や文化を認め、受けいれる
④仕事を「プレイ」する
⑤常に学び続ける
⑥人との縁を大切にする
⑦物事を斜めから見る
7つの思考・行動様式は、「勝率の高い『思考・行動のベスト盤』」とでも呼べましょう。
①物理の法則と同じで、最もエネルギーを必要とするのは静止状態から動き出す瞬間である
②「向いているかどうかは、やってみないと分からない」という事実がある
・うまくいっていない状態でも楽しめていますか?
・今は楽しくないが、続けていれば将来的に可能性がひらけてきそうですか?
いずれかに「Yes」と答えられる方は、今の仕事をもう少し続けてみても良いでしょう。
ただしその場合でも、タイミングを逸しないように「1年以内」などといった形で期限を設定してチャレンジしましょう。
Googleがこのような「フィードバック文化」を徹底しているのは、調査によって下記の3点が立証されたためでした。
・優秀な社員でも、自分を客観視することは極めて困難
・平均的な社員でも、適切な判断基準を与えられれば、他者を客観的に評価することは可能
・人は「ほめられること」ではなく、「ダメ出し(=正しいフィードバック)を受けること」で成長する
天才の名をほしいままにした黒澤明でさえ、ストレートに意見してくれる他者を失った後は、独りよがりの映画を作ってしまう羽目になったことを考えれば、我々が「ダメ出し」をもらわなくて良いわけがありません。
ですから、日々の業務において、次の問いに答えてみてください。
・自分と趣味嗜好が似ている同質のメンバーだけでチームを固めていませんか?
・自分とは異なる意見を拒否していませんか?
・「これだ!」と思ったアイデアを冷静な目で見直していますか?
世に打って出るための武器を身につけたら、あとはできるだけ多くの人に会ってプレゼンテーションするべきです。
デザインとアート
デザインは常に課題解決に向かうことです。
アートは表現の創造および発明に向かいます。
ビジネスの場においてのデザイン思考は、課題解決に向かうための思考法として活用されます。
一方でアート思考は、新たなる価値の創造に向かうため、起業家や起業家を目指す人々、そして経営者に必要な思考法といえます。
面白かったポイント
7つの行動様式のチェックリストは共感する部分が多い。
パフォーマンスを上げるには多様な個性を持ったチームをマネジメントする人が必要。
今後ますますマネジメントが重要になる。
満足感を五段階評価
☆☆☆☆
目次
第1章 そもそも仕事ができること、そして「優秀」の定義とは?
1 時代によって、「仕事ができること」と「優秀」の定義は変わる
2 AI時代のこれからは、知的体力のアップデートが最も重要
3 スキルは陳腐化する(アプリとOSの関係性)
4 「ジョブ型 vs. メンバーシップ型」という不毛な二元論
5 いつの時代でも色あせない普遍的な思考・行動様式とは?
6 大谷翔平の81マスに見る思考・行動様式
7 働き方の3様式
第2章 「ハイパフォーマー分析」とは?
1 優秀さを「見える化」する
2 電通のプロジェクトで分かった「思考・行動様式」の重要性
3 組織の中間層を育てる
4 思考・行動様式を浸透させる5つのステップ
5 エビデンスに基づく「ハイパフォーマー育成の方程式」
第3章 ハイパフォーマーに学ぶ7つの思考・行動様式
1 思考・行動様式の前提、そして7つの行動様式とは?
2 思考・行動のベスト盤(7つの思考・行動様式)
第4章 人生100年時代、キャリアシフトは続く
1 「組織特有のOS」も存在する
2 好むと好まざるにかかわらず、現代の私たちはほぼ一生、仕事をし続ける
3 私たちは現在、大きなパラダイムシフトの渦中にいる
4 現在とルネサンス期の大きな共通点
5 変化に対応し変容するためには、知的体力のアップデートが何よりも重要
6 取り組みの「順番」も大切
7 資格はあくまでも資格であり、本人が活かせるかが重要
8 「7つの思考・行動様式」チェックリスト