人材事業は景気動向に左右されやすい業種なので、マクロ経済指標をモニタリングすることが大切です。
景気動向指数
生産、雇用など様々な経済活動での重要かつ景気に敏感に反応する指標の動きを統合することによって、 景気の現状把握及び将来予測に資するために作成された指標です
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/menu_di.html
先行指数
一致指数に数か月先行することから、景気の動きを予測
主に需給の変動
- 新規求人数
- 機械受注
- 新規住宅着工
- 株価
新規求人数
公共職業安定所(ハローワーク)が取り扱う新規の求人数
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/114-1.html
都道府県別新規求人数
第11表 都道府県(受理地)別 労働市場関係指標(実数、季節調整値)
ハローワーク以外の求人は、全国求人情報協会
産業別求人数(東京)
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/jirei_toukei/shokugyou_shoukai/_122954/_122963.html
一致指数
主に生産の調整
- 有効求人倍率
- 生産指数
- 生産財・消費財出荷指数
有効求人倍率
1人当たりの求人数(正社員以外も含む)
仕事の数 ÷ 働きたい人の数
有効求人倍率が1以上が人材確保が難しい
都道府県別 有効求人倍率
https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/shuyo/0210.html
遅行指数
一致指数に数か月から半年程度遅行することから、事後的な確認
主に生産能力の調整
- 完全失業率
- 常用雇用指数
- 給与
- 法人税収入
- 家庭消費支出
完全失業率
完全失業者数の定義とは
1)調査週間中に全く仕事をしなかった。(労働者・就業者ではない状態)
2)働く意欲はあり、仕事があればすぐ就くことができる。
3)調査期間中に、就職活動・仕事を探す活動をしていた。(応募し、面接などの結果待ちの場合も含みます)
完全失業率は、完全失業者数を労働力人口で割った割合
https://www.stat.go.jp/data/roudou/index.html
完全失業率が3%程度だと「完全雇用」といって、失業者がほとんどいないという状況を意味しています。
ただ、完全失業率は、働く意思のある(にもかかわらず職に就けない)者を失業者とするため、最初から就業をあきらめている人はカウントされていません。
就業者 従業者と休業者を合わせたもの
従業者 収入を伴う仕事を1時間以上したもの
雇用者 会社、団体、官公庁、自営業者に雇われて給料を得ているもの
新規求人数の季節変動
新規求人数が最も増えるのは1月、逆に5月と12月は落ち込んでいることが分かります。
1月は、12月期決算の企業では期が切り替わるタイミングです。
年度初めの1月に、予算が変わるタイミングで一斉に募集をかける傾向にあるようです。
新規求人数と新規求職申込件数のどちらも増加している1月は中途採用活動の繁忙期といえます。
5月に新規求人数が少ない理由は、新卒採用の時期と関係があります。
5月は新卒採用の準備に追われている時期であり、特に新卒採用と中途採用を同一の採用担当者が行っている企業では、新卒採用が一段落してから中途採用に着手する傾向があります。
10月は3月期決算の企業が上期から下期に切り替わる時期です。
上期の実績に応じて下期の予算や営業方針が変わるため、求人数も一斉に増える傾向にあります。
新規求人数と新規求職申込件数が落ち込む12月は中途採用活動の閑散期といえるでしょう。
事業計画とマクロ経済
人材ベンチャーの事業計画に季節変動を考慮することは重要ではない。
まったく季節変動の影響を受けないわけではないが、ベンチャーは市場の変動に影響を受けるほど、大きな事業ではない。
規模が大きくなり、マーケットシェアが取れると景気変動の影響度が高まる。
早々に季節変動を受けるようなら、市場規模がそれほど大きくないということ。
ベンチャーは、季節変動を理由にせず、右肩上がりで上昇し続けなければいけない。
投資家など外部に説明するときに直線で計画を立てて考慮がなさそうに見られるのが嫌なら、季節変動を加味してもよいが。