沖縄でのIT/Web産業の必要性
コロナの影響で、沖縄の主要産業である観光業界は大ダメージを受けました。
また、沖縄は全国的に見ても平均賃金は低い状態が続いています。
今、沖縄は経済的に危機的状況に陥っています。
沖縄のような島で製造業のような大企業を誘致するのは困難ですが、
- 大きな資本が要らない
- 場所を選ばない
- 労働集約型
- 高い付加価値
のIT産業なら可能です。
沖縄プロジェクト(仮)の目指すところ
沖縄プロジェクトは、沖縄のIT産業を盛り上げてていきたいと思います。
次の3つを実現していきます。
- 沖縄の企業のIT活用度を高めて売上増
- 沖縄のWeb関連企業のレベルアップ
- 沖縄の人材開発
沖縄の企業のIT活用度を高めて売上増
沖縄に限らず、日本の企業のIT活用度は非常に低いレベルにとどまっており、生産性が低く、賃金も上がりません。
ITを活用することによって、売上を上げ、コストを削減し、人はより付加価値の高い仕事をすることができるのです。
売上を上げるために
- WebやSNSなどの情報発信
- ECの販売チャネル
- Webマーケティング
などの活用ができていません。
コスト削減のための
- 業務プロセス改善
- データ分析、活用
- ITサービスの活用
- ノウハウの流通
が不十分です。
沖縄には数多くの中小企業があり、良い商品をつくっている会社があります。
ITという武器を使いこなすことで、売上を上げ、コストを削減し、利益を増やし、賃金を上げ、雇用を増やし、地域社会に貢献することができるでしょう。
沖縄のWeb関連企業のレベルアップ
はじめにIT産業は場所を選ばないと書きましたが、場所は重要です。
どういう意味かというと、仕事をする上ではパソコンがあれば世界中どこでも仕事をすることができるのは確かです。
しかし、シリコンバレーや東京のように人材が集中することによって産業が盛り上がります。
ある程度のことはネットで情報収集することはできますが、深い話は対面でないと難しいところがあります。
エコシステムを作ることが大切なのです。
沖縄にもWeb制作会社、EC制作会社、ITベンチャーはありますが、まだまだ量と質が足りません。
- 沖縄のIT/Web関連会社の人材交流、技術交流を促進
- 東京や海外の最先端事例を取り込む
- 沖縄拠点の誘致
などが必要です。
沖縄の人材開発
厚生労働省沖縄労働局のレポートによると、令和元年の有効求人倍率は1.16となっています。
沖縄は、平成21年度は0.28で、平成28年度に有効求人倍率は1.00となりました。
有効求人倍率の全国平均は1.55で、沖縄は全国平均に比べると低い状態が続いています。
産業別新規求人数(パートタイム含む)を見てみると、令和元年は
- 医療福祉(36,303)
- 宿泊業、飲食サービス(14,654)
- サービス業(13,277)
- 卸売業、小売業(12,743)
- 情報通信業(8,424)
となっています。
パートタイムを含む統計となっているので、サービスや小売業の求人が多くなるのは当然です。
おそらく正社員が多いと推測される情報通信業は5位となっています。
沖縄は全国で一番所得が低い県となっています。
所得を上げるためには、
- 需要がある
- スキルが必要
な仕事に就くしかありません。
この2つの条件をIT、Web、EC人材は満たしています。
スキルと身に付けるためには、
- 知識
- 経験
が必要です。
知識を身につけるには、ネットで十分です。
オンラインのスクールも充実しているので、場所は選びません。
経験を積むには、自分の能力を超える案件が必要になります。
沖縄の案件だけだと難易度も低く、数も少ないので経験値が貯まりにくい、そのため優秀な人材が育ちにくい、優秀な人材が少ないため案件を獲得できない。
という停滞状態を引き起こしてしまいます。
また、沖縄の所得を上げるためには、県外の需要を取り込まないといけません。
沖縄は、これまで観光業によって県外からのお金を取り込んでいましたが、コロナで急減しています。
これからは、IT開発やWeb/EC制作で県外から案件を受注し、沖縄へのお金の流れを新たに作る必要があります。
沖縄プロジェクト(仮)のロードマップ
- 沖縄の企業のIT活用度を高めて売上増
- 沖縄のWeb関連企業のレベルアップ
- 沖縄の人材開発
を沖縄で実現するためには、やるべきことが山のようにあります。
もちろん、どれもすぐにできることではありませんし簡単でもありませんが、じっくり取り組めば沖縄の一つの産業に育てることができるでしょう。
サービスのステップアップ
では、まず何から始めていくか?
企業支援サービスとしては、
- Web/EC制作サービス
- Web/EC運用サービス
- Webマーケティング
- マーケティング
- コンサルティング
と徐々にステップアップするのが一般的です。
対象企業としては、
- 業種、地域絞り込み
- 業種、地域を徐々に拡大
- 業種展開、全国展開
と徐々に広げていくのが一般的です。
ポイントは、需要があり、ライバルが少ないニッチなところをピンポイントで攻めることです。
沖縄企業向けのECサイト制作サービス
まずは、資本も人もいないゼロからのスタートなので、
- 需要がある
- 小さく始められる
- すぐに結果が出そうなこと
- プレイヤーが少ない
の条件を設定します。
ということで、最初のサービスは沖縄企業向けのECサイト制作サービスです。
ECは、このコロナの状況で最も需要があり、沖縄の中小企業を支援することが必要です。
また、EC構築サービスはスキルがあれば、大きな資本は必要ありません。
そして、すぐに営業を始めることができます。
全国的にみてもEC人材は不足しています。
やるべきことは、
- LPを作って広告を打つ
- 営業をかける
です。
沖縄のプロジェクトの最初のステージは、ECサイトで実績を積み、沖縄の経営者とつながることです。
顧客の信用を得ることができたら、紹介も期待できます。
地方は経営者のつながりが深いので、目の前の案件をしっかりこなして信頼を得ることが大切です。
沖縄のWeb/EC関連企業のコミュニティ
沖縄企業からの案件を獲得できるようになったら、次は制作サイドのネットワークを広げていきます。
競合であると同時に「沖縄の企業を支援する」という目的を共有できる関係を築くのが理想です。
関係を深めていく方法はいろいろあります。
- 取引先関係
- 勉強会
- イベント共催
- サービス共同開発
関係が成熟していくにつれて、より深いレベルでビジネスを展開していくことになります。
Web/EC制作スクール
ECは慢性的な人材不足です。
制作人材も不足していますが、運用人材はまったく足りていません。
ECの運用は、幅広い知識と経験が求められるので、本当に結果を出せるEC人材の育成には時間がかかります。
また、プログラミングスクールは流行っていますが、EC制作スクールはほとんどありません。
これがEC人材不足を招いています。
必要なスキルをざっくりリストアップしてもこれだけあります。
- ECサイトページの更新
- 商品撮影
- アクセス解析
- Web広告運用、管理
- 広告バナークリエイティブ管理
- コンバージョン測定
- Webマーケティング
- ライティング、編集
- UI・UXディレクション
- EFO(フォーム)最適化
それぞれの項目も奥が深いです。
ECサイト制作サービスを展開しながら、作業内容のマニュアル化をしていきます。
マニュアルは外注先の教育に役立ちますし、コンテンツを体系的に整理することで講座として販売することもできます。
スクールに必要なのは、
- 体系的なWebコンテンツ
- YouTubeでの動画コンテンツ
- メンター制度
- コミュニティ機能
です。
第1ステージ
- 沖縄企業向けのEC構築・運用サービスの提供
- 沖縄のWeb/EC関連企業のコミュニティ
- Web/ECスクール
を構築することができれば、沖縄ではそれなりのポジションに位置づけられることができます。
このステージでは、顧客からの信用を積み上げて沖縄の経営者ネットワークを築きます。
同時に制作者サイドともネットワークを築き、情報やノウハウの交換をします。
作業の内容をマニュアル化し、社員や外注先の教育の効率化を図ります。
そして、スクールを展開することで、沖縄でのEC人材を育てる、採用にもつながります。
サービスの拡充
第1ステージでしっかり実力をつけたら、サービスを拡充し、ビジネスを拡大していきます。
拡大する軸は、
- 上流化
- 業種
- 地域
です。
業種と地域は、顧客と会社のリソース、競合のいわゆる3C分析によって、拡大していく市場を見定めます。
上流化は、2つの考え方があります。
- 工程
- 組織
です。
工程は、企画→設計→制作→テスト→実行→改善、のように作業の順番を意味します。
ECサイト構築サービスの次は構築ではなく、より前工程のECサイトの企画やデザインやコンテンツ設計、もっと踏み込めば商品の構成までコンサルティングすることです。
組織は、EC制作部門→EC事業部→マーケティング部→経営、のように組織の階層を意味します。
ECサイト構築サービスの次は構築ではなく、運用やマーケティング、ビジネスプラン策定までコンサルティングすることです。
上流工程の仕事はコンサルティングに近づき、幅広い知識と経験が求められますが、報酬単価も構築に比べると桁違いに大きくなります。
上流工程の仕事は売上に直接インパクトを与える仕事になるので、成功した分だけの見返りが得られるということになります。
県外のWeb/EC関連企業とのコラボ
沖縄のWeb/EC関連企業とのネットワークを構築したら県外の企業にもネットワークを広げていきます。
特に、大企業が集中している東京や最新技術の発信地であるアメリカの状況を押さえておくことが大切です。
沖縄の企業が、大規模案件の技術や最新技術を求めているとは言えません。
しかし、県内の需要に応えているだけでは、沖縄のWeb/EC関連企業のレベルが上がりませんし、県外から沖縄にお金を呼び込むことはできません。
沖縄のWeb/EC関連企業が県外から案件を受注するためには最新のノウハウや情報を押さえておく必要があります。
県外IT/Web人材の誘致
沖縄は移住先として人気ですが、問題は仕事です。
企業の業種も限られており、中小企業が大半です。
自ら稼ぐことができる能力を持っていないと、沖縄での就職は難しく、就職できたとしても給料は低いでしょう。
しかし、IT/Web人材で、自力で稼ぐ能力があれば沖縄は最高の場所になるでしょう。
なので、能力の高いIT/Webのフリーランスを呼び込むことが大切です。
交流することで刺激を受けることができるし、勉強会や講座開設などによって沖縄人材の能力底上げが期待できます。
フリーランスが集まるコミュニティやコワーキングスペースなど物理的な場所が必要です。
第2ステージ
- サービスの拡充
- 県外のWeb/EC関連企業とのコラボ
- 県外IT/Web人材の誘致
ができれば、全国から案件を獲得できるレベルに位置づけられます。
県外からも求人応募もあるでしょう。
このステージになると、沖縄のWeb/EC関連企業が共同で情報発信することで、沖縄はWeb/EC制作の一大拠点というイメージを打ち出すこともできます。
ここから本格的な拡大ステージに入ります。
沖縄企業間のコラボ
ここからはIT/Webの範疇を超えるが、
- 経営企画、マーケティング戦略、商品企画などコンサルの領域にシフト
- 沖縄企業のネットワークを構築
できた会社は、企業間のコラボを促す役割を担うことができます。
これまで県外に発注していたものを沖縄県内で経済を回すことで、より沖縄の企業が強くなります。
IT活用によって企業単体を強くしていたステージから沖縄経済全体を強くするステージにシフトします。
Web/EC関連企業の誘致
沖縄での人材育成、フリーランス誘致などで、優秀なWeb/EC人材を確保できる状況になれば企業進出も加速します。
また、コロナによるリモートワーク推進で会社を辞めることなく、沖縄に優秀な人材を呼び込むことができるでしょう。
Web/ECは人材不足です。
人材確保のために開発拠点の位置づけで沖縄に進出する、社員の働き方の多様性を提供するために沖縄に進出する、という先進的な企業を呼び込むことで経済と人材交流を盛り上げることができます。
Web/EC人材の輩出都市
企業のIT活用の促進、県外のWeb/EC案件の獲得、県外人材の誘致、Web/EC企業の進出、スクール開設、コワーキングスペース、コミュニティなど、ありとあらゆる施策によって沖縄人材を育成する土壌をつくり上げてきました。
次は、IT/Web業界を目指す若者を増やすために、大学教育にもカリキュラムを作ってもらうことが必要です。
優秀な若者は、東京で就職するでしょう。
沖縄にとっては痛手ですが、若者の長い人生にとってはいろいろなことを経験することは必要でしょう。
東京に就職した若者が経験を積んで沖縄に戻ってくるかもしれません。
沖縄の企業と取引をしてくれるかもしれません。
目先の利益ではなく、長期的に考えると人材輸出地域というのは強くなります。
第3ステージ
- 沖縄企業間のコラボ
- Web/EC関連企業の誘致
- Web/EC人材の輩出都市
ができれば、沖縄の働く場所としての認知度も上がるでしょう。
ここからは、企業の活動を超えて、自治体と連携して進めることになります。
企業進出、移住などのサポートを働きかけていきます。
IT/Web業界がまず若者の就職先を提供し、所得を全国平均に持っていくリーダー的存在になるべきです。
そして、沖縄の企業がITを活用し、生産性を上げることで、少しでも給料アップする事例を作ることです。
県民所得を上げることで、県内需要に対応するサービス業などの所得アップに波及することを期待します。