The Modelとは?
売上を拡大する仕組み「The Model」をご存知でしょうか?
The Modelとは、売上を生み出すすべてのプロセスを連動させ、顧客体験の満足度を最大化し、売上を拡大することを目的としています。
売上を生み出す部門といえば、
- マーケティング
- 営業
- カスタマーサクセス
などがあります。
部門の縦割りによって、顧客にとって必要な商品やサービス、情報を必要な量、必要なタイミングで提供できる企業は多くありません。
人はグループに分けられたらグループ内での結束が強まり、他グループと利害関係が発生するものです。
積極回数を増やしたり、コミュニケーションを見直しても改善は見られません。
共通の目標を設定し、共同で作業することが有効なのです。
The Modelでは、それらの売上を生み出す部門すべてを統括する役割を置き、プロセスを連動させることができます。
The Modelのプロセスと体制
プロセスとKPIの流れ
The Modelでは、プロセスを4つの段階に分けています。
- マーケティング
- インサイドセールス
- 営業
- カスタマーサクセス
の流れになります。
各プロセスの中でKPIを設定します。
KPIは、リード数→案件数→受注数→継続数を設定します。
マーケティング
目的
マーケティング部門の目的は、市場からリードを獲得することです。
カスタマージャーニー全体をサポートする役割です。
KPI
KPIは、
- 訪問者数を増やし、
- リード獲得率を高め、
- リード数を増やします
プロセス
顧客との最初の接点となるのがマーケティングになります。
オンラインの情報が増え、チャネルも多様化しています。
- Webマーケティング
- セミナー
- キャンペーン
など、ありとあらゆる手段を使って認知を獲得し、見込み客にします。
マーケティングオートメーション
マーケティングオートメーションは、マーケティングテクノロジーを駆使してマーケティングと営業をサポートする部隊です。
- 広告
- 動画
- Web
- SNS
- チャット
- メール
- メッセージのパーソナライズ
などのチャネルを活用します。
デジタル行動の収集、分析を行い、次の打ち手を導き出します。
デジタル行動とは、
- サイトの訪問履歴
- クリックの情報
- 動画の視聴
- メール開封、クリック
などのデータを収集します。
インサイドセールス
目的
インサイドセールスの目的は、マーケティングが獲得したリードを商談化し、営業に渡すことです。
また、ターゲット企業へこちらからアプローチし、商談化します。
電話でリードにコンタクトを取り、基準に基づいて商談化します。
顧客にとって最初に直接コミュニケーションを取る相手になります。
ヒアリングや説明能力、会社や商品に対する愛着、コミットメントの意識が相手に伝わります。
外注のテレアポ部隊ではだめです。
KPI
KPIは、
- 案件化率を高め、
- 案件数を増やします
プロセス
インサイドセールスは、時間との勝負なので、どれだけ業務効率を上げられるのかが成果に直結します。
タスク管理が重要になります。
インサイドセールスのプロセスは、
- その日に電話するリストはきれいに整理
- Webサイトや企業情報はチェックして事前に頭に入れる
- 電話をかける
- ポイントを絞って効率よく
- ヒアリング項目は要件や予算など
- 履歴を残す
です。
スキル
インサイドセールスに求められる能力は、数多くの見込み客と話すので、
- 製品知識
- ヒアリング能力
- 反対意見に対処する能力
- 顧客発掘能力
が求められます。
営業
目的
営業の目的は、インサイドセールスから渡された案件を受注することです。
KPI
KPIは、
- 受注率を高め、
- 受注数を増やします
プロセス
営業は商談のフェーズを定義し、しっかり管理することで、抜け漏れが無くなり、関係者が適切にフォローできるので、商談件数の増加、受注率の向上が見込まれます。
商談のフェーズは、
- リード以上商談未満
- ビジネス課題の認識
- 評価と選定
- 最終交渉と意思決定
- 稟議決裁プロセス
- 受注
です。
リード以上商談未満
顧客にビジネス課題があると気付いてもらうこと、そして、自社には課題を解決する手段があることを理解してもらうフェーズです。
定期的なフォローを欠かさないことです。
ビジネス課題の認識
顧客のビジネス課題、問題点、解決策、投資対効果の認識をすり合わせます。
BANT条件をヒアリングします。
- 予算
- 決裁権
- 必要性
- 導入時期
評価と選定
自社の強みが顧客の選定条件になるように進めます。
競合の商品・サービスをしっかり調べ、キーパーソンに選定されることを大切です。
BANT4つの条件の合意を取ります。
最終交渉と意思決定
契約に必要なタスクを洗い出し、納期から逆算してスケジュールを整理します。
顧客に稟議決裁プロセスを開始してもらいます。
稟議決裁プロセス
稟議決裁プロセス中は、リスクに備えて準備し、すぐに対応できるようにしておきましょう。
受注
スキル
営業に求められる能力は、
- クロージングスキル
です。
できる営業マンは喋らない
- まず、「どんな商品が欲しいですか?」と聞く
- お客の方から話をさせる
- 全部質問形式にする
- 喋っているうちに、お客は「その商品が欲しい」という感情が生まれてくる
- 自己説得してしまう
- 喋らないほうが信用されやすい
話をするのは顧客です。
自分の言葉より、客の言葉のほうがはるかに重要です。
対話の4分の1以上が自分の発言なら、話し合いが順調に進んでいないサインです。
質問内容は、
- ニーズがあり、商品を希望し、資金があるか
- 顧客が満足条件を提示し、もし条件が満たされれば商品を買う意思があるか
- 満足条件に関する細かい点まであいまいでないかどうか
を確認します。
こちらの基準に合わなければ除外します。
売り込むことも説得することも必要ありません。
カスタマーサクセス
目的
カスタマーサクセスの目的は、受注した顧客を維持することです。
また、アップセルやクロスセルでLTV(顧客生涯価値)を上げます。
顧客のロイヤリティが上がれば、口コミや紹介が増えるので、自然とビジネスは拡大していきます。
カスタマーサクセスは、顧客と自社の双方の利害が一致したところに生まれた部署です。
「顧客の成功」というステージを定義し、今、顧客がどのステージにいるかを計測、判定します。
競合他社との差別化につながります。
KPI
KPIは、
- 継続率を高め、
- 継続数を増やします
プロセス
契約後のプロセスは、
- 安心してサービスを利用できる環境づくり
- 導入支援
- 活用促進
- アップセル/クロスセル
- 契約更新
です。
安心してサービスを利用できる環境づくり
- 窓口や体制
- サポートの問い合わせ方法
- トレーニングメニューの紹介
- コンサルタントメニューの紹介
を整備しましょう。
導入支援
- お客様ゴール設定
- 活動計画
- 進捗PDCA
の仕組みを作りましょう。
活用促進
商品やサービスの活用度をチェックし、
- カスタマーサポート
- コンサルティング
- トレーニング
のサービスを提供します。
また、ユーザー会を作ることで、活躍している人たちが世の中に発信してくれます。
顧客満足度の調査を定期的に行い、改善につなげます。
アップセル/クロスセル
- 新機能の紹介
- 追加機能の提案
- 活用範囲の拡大
などで、活用度を高め、売上拡大を図ります。
契約更新
スキル
カスタマーサクセスに求められる能力は、中長期的に利用拡大につなげられる能力を持った人材です。
顧客体験を向上させる
顧客インサイト
顧客は自分が関心を持っている情報を提供してほしいと考えています。
メッセージやコンテンツが顧客の関心にマッチしていることが大切です。
有益な情報を好みの方法で入手し、営業に売り込まれることなく自分のペースで進めたい。
顧客にとって最適なチャネルとタイミングで届けること。
営業が接触する前の「顧客による調査・評価」のプロセスの重要性が増しています。
顧客が独自に行い、その結果、選ばれた企業だけに問い合わせがいく。
B2Bバイヤーの75%は、営業から買うよりWebで買うほうが便利だと考えている。
消費者行動モデル
消費者行動モデルは、AIDMA、AISAS、AISCEASなどいろいろなモデルが提唱されています。
主な流れは、
- 認知
- 興味
- 検索
- 比較
- 行動
- 共有
になります。
各段階で顧客に効果的にアプローチしていきます。
認知は、マーケティング部門の仕事です。
メディアやブログ、SNSなどのWebマーケティング施策を駆使て認知を獲得します。
興味、検索、比較は、主に顧客が主体です。
情報提供がカギになります。
Webサイト、資料ダウンロード、デモ、セミナーなどで判断材料を提供します。
比較、行動は、営業部門の仕事です。
顧客の求めるもの、判断する基準をくみ取り、提案します。
共有してもらうには、ロイヤリティを上げる活動がカギです。
カスタマーサポートやコンサルティング、カスタマーサクセス部門の仕事です。
商品やサービスの活用や定着化を促すためのトレーニングやコミュニティを提供します。
顧客ステージ
今、顧客がどのステージにいるのかを判断し、適切なメッセージを適切なチャネルで適切なタイミングでやりとりすることが重要です。
顧客のステージは、
- 認知拡大
- リード獲得
- リード育成
- 有望リード
- アポ
- 商談
- 受注
- カスタマーサクセス
になります。
認知拡大
認知拡大では、サイトの訪問数やイベントの参加数がKPIになります。
ウェブ広告やオウンドメディアで認知拡大を図ります。
リード獲得
リード獲得は、獲得したメルアド数がKPIになります。
ウェブコンテンツや展示会、セミナーでリード獲得を図ります。
広告宣伝では、商品を売ることではなく、興味をある人を集めることを徹底する。
リード(見込み客)のリスト化だけに注力する。
商品を販売する広告よりも、その商品に興味がある人を集める広告のほうが圧倒的に簡単のです。
リードを集める上で効果的なのが、ホームページやメルマガ、ガイドブックなどの情報ツールです。
見込み客は売り込まれることを警戒しているので、無人で相手に知られることなく情報を入手できる仕組みを用意しましょう。
興味をそそるようなタイトルを付けることが重要です。
読まれなければ、いくらいいコンテンツを用意しても意味がありません。
情報を出せば出すほど、お客さんはあなたを専門家として位置付けます。
情報コンテンツを読んだお客さんが値引き交渉することはほとんどありません。
リード育成
リード育成は、メルマガのクリック数や商品サイトへのアクセス数、セミナーへの参加がKPIになります。
情報提供のメルマガやキャンペーン、会員サイトでリード育成を図ります。
情報量の増加に伴い、選択判断基準が明確化し、購入までの期間が短くなります。
情報が増えれば増えるほど、欲しくなります。
有望リード
有望リードは、商品カタログの請求数や商品に関するお問い合わせ、商品サイトへの複数回アクセスがKPIになります。
アポ
アポ数がKPIになります。
インサイドセールスや営業が、有望リードに対して、電話でアポ獲得を図ります。
手当たり次第に声をかけるのは時間とカネの浪費になります。
アポ取りの電話では、見込み客かどうかを見極めます。
見込み客とは、
- 商品に対するニーズがあり
- 商品を希望し
- 資金があり
- こちらが満足条件を満たせば購入する意志のある相手
です。
アポ取りとは、見込み客に当たらない「望み薄客」を排除するプロセスといえます。
望み薄客を説得する必要はなく、ただリストから排除するだけです。
見込み客は、商品に対するニーズがあるので、こちらも説得する必要はありません。
商談、受注
案件数、受注数がKPIになります。
カスタマーサクセス
解約率がKPIになります。
リード
リードとは、BtoBマーケティング用語で「見込み客」を表します。
リードを分類すると、
- 具体的に検討する層
- 将来的にも購買に至らない層
- 将来購買の可能性はあるが今すぐではない層
があります。
具体的に検討する層は、リード育成プロセスに乗せる、もしくはアポを取って営業に渡すことを検討します。
将来的にも購買に至らない層は、
- パートナー企業
- 競合
- 学生
などです。
リストから外します。
将来購買の可能性はあるが今すぐではない層は、
- 商談に至らないリード
- 失注した商談
- アップセル/クロスセルが未フォローの既存顧客
などです。
リサイクルプロセス
将来購買の可能性はあるが今すぐではない層が再び商談化のプロセスへリサイクルさせる流れを作ります。
この層は、時間がかかっても戻ってくる可能性があります。
商談に至らないリードや失注した商談は、これ以上リードコストがかかりません。
リサイクルプロセスを作るために、マーケティングオートメーションを活用します。
- 理由を分類してリサイクルに回す
- 理由に合わせて適切なコンテンツを配信
- リードスコアが上がると再度フォローリストに追加
の流れになります。
理由は、
- 未コンタクト
- 時期が○か月先
- 予算なし
- ニーズなし
などです。
リードスコア
リードスコアは、
- 属性スコア
- 行動スコア
があります。
属性スコアは、理想的なターゲットを
- 企業規模
- 業種
- 役職
などの項目から判断します。
行動スコアは、購買意欲を
- Webへのアクセス
- コンテンツのダウンロード
- 無料トライアルへの登録
- 見積もり依頼
などの項目から判断します。
行動スコアより属性スコアを重視し、属性スコアの精度を高めることが大切です。
また、リードソースごとにフォローするタイミングを設定します。
自動セットで業務効率は格段に上がります。