評価経済社会

ビジネス

『評価経済社会』岡田斗司夫

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内容

「パラダイム」=「社会を構成している基本的価値観」

みんなが「そうするものだ」と考えている事柄の集大成こそがパラダイム。

現在、起きつつある価値観の変化を実感するのは難しい。

 

パラダイムシフト

 

モノの豊かな時代は、モノそのものをよく見、観察することから、写実的な美術や科学が生まれます。

どんな時代でも人間は、豊かなものをたくさん使うことは格好よく、不足しているものを大切にすることは美しいと感じる。

科学の発達が限界まで来たということではなく、科学を使って私たちが幸福になることが限界まで来た。

 

仕事は、最も希少である「自分の時間」を使う行為。

いまや日曜も祝日もなく働く人とは「働き者」ではなく、「こき使われている弱者」

 

評価経済社会

「第三の波=情報革命」によって引き起こされるのは、単一洗脳システムの崩壊であり、マスコミ独占洗脳体制からの解放です。

ネットの力が権力者の特権「影響」を市民に開放する。

 

すべての人々が「双方向の影響を受ける/与える人」になる。

それによって評価経済社会が始める。

 

新しい社会の競争、それは「どれだけ有名になれるか」「どれだけ高評価を集められるか」。

人々の不安や不満をつかみ、最も効率的にそれを解消する方法を提案することによって、多くの人に影響を与え、尊敬と賞賛を得られるのが、評価経済競争社会。

 

評価経済社会では今以上にその人のイメージ・評価に注目が集まります。

そうすると、一度の失敗やミスで悪いイメージが定着してしまうと、なかなか挽回しづらくなってくる。

 

お金によって評価を生み出そうとすると、これはとんでもない金銭的コストが必要になる。

評価で儲けたお金でお金を増やそうとしてお金も得られず評価も失ったSONY、評価で儲けたお金をさらに評価獲得につぎ込んで、評価とお金の両方を得たApple。

 

評価資本

 

「キャラクター化」した企業

つまり「この人がいるから働く」という人がいる小さい企業ばかりになる。

企業は1~3人のイメージリーダーとボランティアスタッフと多くのサポーターによって成り立つことになります。

 

これからの消費行動はどんどんサポーター的要素が強くなっていくでしょう。

企業の活動自体が価値観を体現していなくてはサポーターはつきません。

 

価値観があふれる

様々な価値観があふれる中で、自分の気分や状況、立場、好み等々によって、いくつかの価値観を選択すること。

そして、同じ価値観のグループに参加すること。

そうすることで、自分の中に新しい人格をつくって楽しむこと。これこそ評価経済時代の醍醐味といえます。

 

情報があふれている状況、というのは価値観があふれている状況だといえます。

特殊な価値観や世界観を共有するためのグループは徐々に増えつつあります。

 

情報整理

情報に限らずモノが膨大になってくるとそれをうまいこと整理する能力が必要になってきます。

情報とそれについての膨大な解釈が氾濫する中、それを手際よくまとめ「情報+解釈」をパッケージで提供できる人間が求められ、評価されるようになるでしょう。

講義の実況中継式のものやビジュアル・図解を多用したものが主流と言っていいくらい激増しています。

 

ワガママ

これからの評価経済社会では自分の気持ち、つまりワガママが大切です。

自分の気持ちのはっきりしている人は生き生きと暮らせます。

付き合いたい人とだけ付き合うという「ワガママ」がいいことになるのです。

 

評価経済社会では「おもしろそう」「楽しそう」という自分の気持ちを大切に勉強する分野を選びます。

が、別に一つの分野を学んで一流になりたいと考えているわけではありません。

タイ語を学んだからといって、タイと取引のある商社に就職したり、タイ語の先生になったりするのはちょっと違うな、と考えています。

 

「唯一無二の自分」と「一生、お勉強」が合体して、アマチュア活動やカルチャースクール活動はどんどん盛んになるでしょう。

 

面白かったポイント

脳味噌が刺激される面白い内容です。

前半は狩猟時代→「農業革命」→中世→「産業革命」→資本主義社会→「情報革命」→評価経済社会へのパラダイムシフトの説明が中心、後半は評価経済社会とは、新しい社会の競争、求められる才能、価値観についてです。

価値観の変化について語られている本は、なかなか他に見当たりません。

しかも、加筆されているにせよ15年以上前に書かれたとは驚きです。

 

評価経済社会では、価値の中心に「自分の気持ち」を置いている。

自分の価値観を洗い出して、それぞれの価値観を共有できるコミュニティに参加すること、複数の価値観をコーディネート、マネジメントすることが必要です。

 

企業がお金を使ってイメージをアピールするのは、ものすごくコストが高くつくので、価値観やイメージと連動した事業活動を推進することが大事です。

事業を起こす時は、この概念を忘れないようにしよう。勉強になります。

 

日本の評価はアニメ、まんが、食文化、ファッション、おもてなし、安全、時間に正確、などなど資産の宝庫ですね!

世界に展開するビジネスチャンスに溢れているのでワクワクしてきます。

 

満足感を五段階評価

☆☆☆☆☆

 

 

目次

まえがき
第1章 貨幣経済社会の終焉
第2章 パラダイムシフトの時代
第3章 評価経済社会とは何か?
第4章 幸福の新しいかたち
第5章 新世界への勇気
新版への付録 クラウド・アイデンティティー問題
おわりに

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