「強い文章力」養成講座

ビジネス

『読むだけであなたの仕事が変わる「強い文章力」養成講座』川上 徹也

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内容

「強い文章力=相手の心を動かす文章を書く能力」は一度身に付ければ一生使えます。

 

ビジネス文章を書くとき、一番気をつけなければいけないことは、その文章の目的が何かを考えながら書くこと

相手や場面が違えば目的も変わります。

自分が実現させたいことを、相手も本気でやろうと思ってくれること。「相手の心を動かす」

 

誰でも文章を読むことは面倒だし、時間を取られれるし、苦痛なんです。だから、

  • 何を伝えるか
  • どのように伝えるか

を考え、工夫する必要があります。

 

伝えるべき3つのこと

  1. ファクト = 事実
  2. メリット = 利点
  3. ベネフィット = 利益

 

ファクトとは事実。伝えたいポイントです。

しかし、ファクトをそのまま伝えても人の心は動きません。

もちろん、心を揺り動かす画期的なニュースがあればファクトだけでも通用します。

 

メリットとベネフィットの違いは、メリットはファクトから得られる良いこと。

ベネフィットはファクトから得られる受け手の幸せ。

 

受け手になりきった時の気持ちのことを「インサイト」と呼びます。受け手の本音です。

受け手のインサイトを想像し、何らかのベネフィットを提示すると大きな効果が得られます。

 

どう伝えるのか

人は「自分ごと」にしか反応しないのです。

自分とは関係ないと思った瞬間、脳がその情報をスルーします。

人を動かす「強い文章力」の大前提は、受け手に「自分と関係がある」と思ってもらうこと。

 

そのためには、タイトルや見出しなどの最初のワンフレーズで相手の心をつかむこと。

キャッチコピー力とは、受け手の心をつかむ言葉を見つけ、短く的確に文章化する能力。

 

見出し・タイトルの3つの基本

  1. パンチのある言葉を使う
  2. 相手の心に無理やりにでも「興味」を作り出す
  3. 思わず口にしてしまうリズムや語呂を意識する

 

強い言葉を作る3つのポイント

抽象的な言葉や常套句を避け、できるだけ具体的に書くこと。

そして、言葉の組み合わせを考える。たとえば、

  • 異質な言葉同士: 国家の品格、スクールカースト、三匹のおっさん
  • 形容詞+名詞: おいしい生活、おいしいカラダ
  • 名詞と動詞: 仕事を遊ぶ、仕事に溺れる

 

最後に、言葉は言い切ると強くなります。

例えば、訴訟は勝つか負けるかのギャンブルだ!、バカとブスこそ東大へ行け!、女って、おしり。

 

相手の心に興味を作り出す3つのポイント

疑問を投げかける: さおだけ屋はなぜ潰れないのか?

重要な情報を隠す: かなりヤバい研究結果が。。。、痩せた人の日々の習慣とは?、〇〇したら急にモテた

常識とは逆のことを言う: 英語は絶対勉強するな!、食べ放題ダイエット、コミュニケーションは要らない

 

リズムをよくする4つのポイント

3つたたみかける: 衣食住、松竹梅、守破離

韻を踏む: セブンイレブンいい気分、インテル入ってる

対句: 雄弁は銀、沈黙は金、金持ち父さん、貧乏父さん、頭がいい人、悪い人の話し方

有名コピーをもじる: そうだ沖縄行こう

 

相手の心をつかむ型

ターゲットをぐっと絞って呼びかける。

ターゲットの絞り方は、性別、年齢、職業、居住地、所属先、所有物、身体的特徴

属性以外では、悩み、価値観、願望、思想などの内面的要素で絞る

 

「呼びかけ+行動の促進」パターンは有効です。

『最近、運動不足だと感じているあなた!一駅前で降りてウォーキングしてみませんか?』

 

問いかけて心の中で答えさせる。

人間は誰かから何かを問いかけられると「自然と答えを探してしまう」習性があります。

『最近、無駄な会議が多くないですか?』

 

ビシッと言い切る。

人間は将来手に入るかもしれない利益よりも、今持っているものを無くしたくないものなのです。

健康、お金、若さ、仕事、不動産、愛する人など、なくしたくないものであればあるほど効果があります。

『今のままでは老後の資金がありません』

 

具体的な数字を入れる。

人間には数字はウソをつかないという思い込みがあります。

 

心の底から真剣にお願いする。

 

ビジネス文章術

仕事を前に進めるために一番大切なことは、「相手を本気にさせること」です。

あなたが働きかける社内外の相手が、その提案を実現させようと本気で思ってくれること。

あなたの言葉に反応して、相手が本気になって行動してくれると、たいていの仕事はうまくいく。

 

アリストテレスの説得の3原則

  1. ロゴス 論理、理屈、理性 「なぜ〇〇しなければいけないのか」
  2. パトス 情熱、熱意、共感 「どうしても〇〇して欲しいという熱意」
  3. エトス 信頼、人柄、倫理 「この人の実績は〇〇だから信頼できそう」

 

ロゴス、パトス、エトスのうち、一つの要素で説得しようとしてもなかなかうまくいきません。

3つの要素をすべて含まれていることで人は説得され自ら動こうとするのです。

 

ビジネスでは、ロゴスとパトスがバランスよく含まれた上でエトス(信頼)が必須です。

ビジネスでは、文章の内容もさることながら、誰が言った言葉なのかが重要視されることが多いのです。

 

企画書の序破急

序 企画の判断基準

破 現状の問題点を洗い出し、問題点をチャンスに変えるポイントを提示。実現するといいことが起こる匂い

急 具体的な提案

 

採用される確率が高いプレスリリース

その商品、サービスがどれだけ世の中の役に立つか、社会が良くなるか訴求されている。

新聞に記事を載せるには何らかの「大義」が必要なのです。

 

そして、誰がどういう想いでその商品やサービスを開発したのか、感動できる物語がある。

商品に人がプラスされてはじめて物語がうまれるのです。

ストーリーを取り入れた文章を書くときに大切なことは、主人公を「人」にすることです。

 

人間は大のストーリー好きです。文字が発明される前からストーリーを語り継いできました。

  • 商品開発のストーリー
  • 素材や製法へのこだわりを熱く語るストーリー
  • 受け継がれてきた歴史や伝統を語るストーリー
  • 就職や転職の自己PR
  • ブログの自己紹介

 

ストーリーにして語ることで、相手の感情を大きく動かすことができるのです。

ちょっとしたエピソードでも十分に感情移入できるようになります。

 

失敗を語ることができるのもストーリーの特徴。

失敗を語ることはマイナスになりますが、ストーリーだと失敗や挫折が多いほうがむしろ読み手に共感を持ってもらえるのです。

ちょっとした欠落を語り、いろいろな障害を乗り越えてそれを何とか克服しようとする人の姿を描くだけでも、普通に書くよりは大きな共感を得ることができます。

 

ストーリーブランディングの3つのポイント

  1. 独自性 日本初、日本一、日本唯一など
  2. 魅力的なエピソード

 

面白かったポイント

自分のブログをもっと面白くできないかと思って手に取ったのですが、大正解でした。

人を動かす文章術は人とのコミュニケーションをパワフルにする力があります。

これは、ビジネスの企画書やプレゼンテーション技法にも通じるものがありますね。

 

特に、特別付録のセールス文章7つの型と人の心を動かす文章7つの型は、これだけでこの本を買う価値ありだと思います。

型を使った架空商品の紹介文例がとても分かりやすく、ついついこの商品が欲しい!と心を動かされてしまいました。

この力はスゴイです。習得したいスキルだと本気で思いました。

 

この文章術は一生モノのスキルなので、何度もこの本を読み返しながら実践していきたいと思います。

 

満足感を五段階評価

☆☆☆☆☆

 

 

目次

はじめに
1限目 その文章は人を動かせるか?知っておくべき3つのポイント
2限目 ここを間違えると意味がない! 「何を伝えるか?」を探し当てる方法
3限目 相手をゆさぶる「伝え方」は、5つの型だけ覚えればOK
4限目 仕事の成否は「この違い」で決まる ~実況添削講座の時間
5限目 ストーリーで更に深く伝える

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