参謀の思考法

ビジネス

『参謀の思考法』荒川 詔四

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内容

全体最適

「全体最適を図る」とは、「会社はどうあるべきか?」という理想像・未来像を実現するために、「部分最適」を超えて、創造的に社内のリソースの配分を考えることにほかなりません。

つまり、参謀に求められる根本的な資質は「調整力」ではなく、「会社のあるべき姿」を描くビジョンを形成する力であり、そのビジョンを実現するための「創造力」なのです。

 

原理原則

「原理原則」を本気で追求する——。

それこそが、優れた参謀の思考法の原点です。

 

参謀に最適人材

結局のところ、参謀として抜擢され、その後のキャリアも自然と拓かれていくのは、「自然体」で、周囲の人々と力を合わせて、生き生きと楽しそうに働いている人々だったのです。

これは、考えてみれば当たり前のことで、そういう人は、周囲の人々の力によって、「自然と押し上げられてくる」からです。

そして、そのように現場で押し上げられてくる人物は、上層部にとっては、「経営」と「現場」の繋ぎ手としての参謀に最適任の人材だと認識されるのです。

 

参謀とは、「フォロワーシップのあるリーダーである」。

なぜなら、参謀はときに、上司の指示・命令に「従わない」という判断をしなければならない局面があるからです。

上司の指示・命令が「原理原則」に反していると判断したときには、それに抗い、「原理原則」を外さない実行可能な対案を提示、採用されるようにするのが参謀の真骨頂です。

であれば、参謀の本質は「フォロワー」であることにあるのではなく、「リーダーをサポートする役割」という立ち位置を堅持しつつも、上司とは別個の「リーダーシップ」を発揮すべき存在ということになるはずです。

 

面白かったポイント

面白かった。

参謀タイプなので、思考はかなり似ていて内容はうなずくところばかり。

 

コンサルタントのような論理的思考力や実務家として仕事ができるのは当たり前。

参謀はトップと現場のつなぎ役としてコミュニケーション能力が重要になるポジションである。

 

コミュニケーションは、トップダウンがメインにはなりますが、ボトムアップも同じように必要です。

参謀でありながらトップの意向を汲むだけではなく、目的を達成するために全体最適で判断する能力が問われます。

判断基準は、原理原則です。

 

満足感を五段階評価

☆☆☆☆☆

 

目次

第1章 上司は「機関」と考える
1 従順であることは「美徳」ではない。
2 リーダーの「先」を行くのが参謀である。
3 上司を「人」ではなく、「機関」と考える。
4 一流の「カバン持ち」であれ。

第2章 すべては「合目的的」に考える
5 上司とは異なる「自律性」を堅持する。
6 「自己顕示」は非知性的な言動である。
7 「トラブル」は順調に起きる。
8 上司を守ろうとして貶める「愚者」になるな。

第3章 「理論」より「現実」に学ぶ
9 本で学んだ「知識」は危険である。
10 「理論家」に優れた参謀はいない。
11 議論で「勝つ」という思考を捨てる。
12 自分を俯瞰する「視点」を常にもつ。
13 参謀は「1円」も稼いでいない。
14 コンサルタントはあくまで「使う」ものである。

第4章 「原理原則」を思考の軸とする
15 トップと「ビジョン」を共有する。
16 仲間と力を合わせる「楽しさ」を知る。
17 参謀は常に「自分の言葉」で語る。
18 「原理原則」を思考の軸とする。
19 「制約」こそが思考の源である。

第5章 人間関係を「達観」する
20 「人間関係は悪いのが普通」と達観する。
21 参謀が死守すべき「中立性」とは何か?
22 結局、自然体で「仕事」を楽しむ人が強い。

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