質問力

書籍

『質問力』斎藤 孝

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内容

人間が成長するために

人間が成長していくためには自分よりすぐれた人と対話するのが一番早い。

テニス上達のコツは自分よりうまい人と打つことだ。

 

自分がたとえ素人でも質問のしかたによってすぐれた人からおもしろい話を聞き出すことができる。

初めて出会う人とどれだけ短い時間で濃密な対話ができるか。

 

頭のよさは文脈をつかむ力。

文脈を外さず、キッチリと織物を織っていくように対話ができる能力は練習すればほとんど誰でもができるようになる。

磨けば伸びる能力です。

 

出題者側と答える側を交互に入れ替えてやらせると、子供は驚くほどスピーディーに知識を習得する。

質問は網だ。しっかり作っておけばいい魚がとれる。

 

  1. 教えられなくても自分でポイントを盗んで技をマスターする「まねる力」
  2. まねる力を連結する「段取り力」
  3. そのうえで要約したり質問できる「コメント力」

この3つが社会で生き抜いていくために必要な力である。

 

質問

人と会話する際、自分の体全体で相手に応答する習慣がない世代が増えてきたのだ。

日本では考えて質問をするという当たり前のことが意外に習慣化されていない。

 

質問の仕方はプレゼンテーション以上に人の実力をあらわにする。

質問力は状況や文脈を常に把握する力が試されているといえる。

一番大切なのは「質問力」というコンセプトをいつも意識する習慣をつけること。

 

質問とは相手の状況、相手の興味、関心を推し量り、自分の興味や関心とすりあわせてするものである。

質問は思いつくものではなく、練り上げるものと思うのが上達への近道です。

質の高い対話の例をたくさん分析し、なぜそれがすぐれているのかと見抜く目を養うことが大切である。

 

コミュニケーションのコツ

コミュニケーションの秘訣は「沿いつつずらす」

対話において、相手に沿うとは身体レベルで言うとうなずくに当たる。

うなずきがしっかりできていると沿ってもらっていると感じるので話す側が勇気づけられる。

 

「言い換え」は話の理解度を試す上で非常に良い方法である。

違う言葉で言い換えさせたり、自分の言葉で言い換えさせるトレーニングは効果的だ。

自分の言葉で言い換えることができればその内容が咀嚼されて自分の物になっていると相手に示すことができる。

 

この技はメモを取る習慣とセットになって鍛えられる。

話を聞いているだけだと20~30分前にあった言葉を引用しながらもう一度現在の話に組み込んでいくのは難しい。

しかし、メモを取る習慣がついていると、手で書いて目で見てさらに文字として残っているので、見て確認することができる。

 

とりあえず相手の言葉を自分の言葉に組み込んで話すことで相手と共感や同調ができる。

自分自身がどういう人間かを説明するより互いに好きなものを見せ合うほうが相手との接点を見出しやすい。

好きなものについて語り合っている時が一番幸せな状態だからだ。

 

相手と自分がいったいどこでつながっているのか強く意識しながら対話をすることがいい質問を生み、コミュニケーション全体をいきいきとしたものにするのだ。

その人間がいちばん力を入れている部分をしっかり認めることがコミュニケーションには必要である。

コツはその人の奥底にある経験を引きずり出してくるところにある。

 

質問の王道

相手の行ったことに対して、「それは別のこれと似ていますか?」と質問するのは質問の王道である。

 

「今あなたがこのようなことをやっているのは、どこかに変化のポイントがあったんでしょうか。何かとの出会いで変わったんでしょうか」というような質問の仕方をすると、「そういえば」と具体的に話が出てくる。

変化について語るのは非常にやりやすい。相手に変化前と変化後を比較させて話させればいいからだ。

 

何かと何かはどう違うのか比較させる質問を投げかけると大抵の人はよく話す。

授業でも比較させるとだいたい成功する。

1つだけだと何も触発されないものが2つ並べて比較するといろいろなものが見えてくるのだ。

 

大事なのは劇的に変わった瞬間については人は熱く語るということだ。

変わった瞬間は人生のクライマックスだから相手のエネルギーがかかっている。

そこを突くのは非常に相手をそそる質問である。

物事の結果について聞くより、何かが生まれてきた経緯について聞いた方が得るところが多い。

 

「どんなコツがあるんですか」「そのコツをどうやって見つけたんですか」という質問は総じて喜ばれる。

話が散りにくく、対話が生産的になりやすい。

もちろん秘密を晒したくない人は別だが。

 

質問力を高める基本は、相手に対して事前に勉強をすませておいて、相手の専門性に自分を加速させて寄り添った上で質問する。

基本技は抽象的な話になり過ぎたら、「具体的に言うとどうなるか」と質問する。

具体的な話が長すぎたら本質的なテーマに持っていく。

この往復運動がずらしのコツである。

 

名言

「自分は力が強くなければ歩けない道を選んだ」、「歩き続ければ、力は自然に強くなる」、そして道も開けてくる。武者小路実篤

「ひとつのチャンスに取り組むようになると、突然、もうひとつのチャンスが巡ってくる」サミー

 

面白かったポイント

コミュニケーションの基本がきっちり学べるいい本です。

やはり自分が成長したと感じるときは、すごいなと思える人と一緒に仕事したり、いい話を聞いて考え方を変えたときだと思います。

そして、そのすごい人から有益な話をいかに引き出すことが貴重な時間を無駄にしないためのコツだと思います。

 

質問の基本はその人についてファンのように徹底的に勉強することが大切であること、そして相手がその成果を出したプロセスやどういう気持ちで取り組んだのかということを質問によって引き出すことで、得られる教訓や刺激も多いということが分かりました。

本の中に出てくるプロフェッショナル同士の対談は臨場感があり興奮します。

こういう高いレベルのコミュニケーションができるように質問力ということを意識したいと思います。

 

満足感を五段階評価

☆☆☆☆

 

目次

第1章 「質問力」を技化する
第2章 いい質問とは何か?―座標軸を使って
第3章 コミュニケーションの秘訣(1)沿う技
第4章 コミュニケーションの秘訣(2)ずらす技
第5章 クリエイティブな「質問力」

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