観察力の鍛え方

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『観察力の鍛え方』佐渡島 庸平

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内容

観察

観察:物事の状態や変化を客観的に注意深くみて、組織的に把握すること

いい観察は、ある主体が、物事に対して仮説をもちながら、客観的に物事を観て、仮説とその物事の状態のズレに気づき、仮説の更新を促す。

 

観察力

観察力が鍛えられてくるとインプットの質は上がる。

特別な努力をしなくても、日常的に質の高い情報がどんどん蓄積される。

そしてインプットが溜まってくると身についてくるのが、俗にいう「感性」と呼ばれるものだ。

感性が上がると、今度は気づくことの質と量も圧倒的に増える。

アウトプットの質も上がってくる。

この軌道に乗りさえすれば、指数関数的に成長していくのみだ。

観察力こそが、様々な能力につながるドミノの一枚目。

 

まずは、見たものを「ちゃんと言葉にする」ことだ。

仮説とは、頭の中のモヤモヤしたものが、やっと言葉になったものだ、と言うこともできる。

だから、あえて言葉にしようとする。

 

仮説は言葉から始まる。

そして、僕は言葉の力を信じている。

人間は、身体の全てを使って、世界を感じとっているが、言葉だけが意識的に使えて、コントロールできる道具だ。

言葉にするからこそ、暗記をして、整理することができる。

言葉にして頭の中で整理するからこそ、解像度が上がる。

言葉とは、人間が唯一、時空間を超えて、携帯できる武器だと思っている。

見たものをとにかく言葉にする。

言葉にしていると、自然と問いが浮かびあがってきて、仮説が生まれる。

観察には仮説が不可欠だが、何も思い浮かばないときは、言葉にすることだけを目的に観察を始めるといいと考えているのだ。

 

マネーボール

「どうすれば勝てるのか?」だ。

「たくさんヒットを打つバッターと、点をとられないピッチャーがいるチームを作ればいい」 →「どうすればそのようないい選手を揃えられるのか?」 →「スカウトか、ドラフトか」というような感じで、同じ思考サイクルに陥っていた。

 

一方、ビリーは「どうすれば年俸が安い選手で勝てるのか?」を考えた。

そして、野球を「ヒットを打って、点をとられないようにして勝つ競技」ではなく、「27個のアウトをとられるまでは終わらない競技」と定義づけた。

この仮説をもとに、球界にあるデータを見直した。

ビリーの主観が、すでにあるデータの見方を変えたのだ。

 

それまでの球界の常識では、フォアボールよりもヒットのほうが重視されていて、打率の高い選手が高い年俸をもらっていた。

だが、点をとるために必要なのは相手にアウトを与えないこと。

その視点で見ると、ヒットとフォアボールの価値は同じだ。

こうして、アスレチックスはヒットを打つ選手でなく、出塁率の高い選手を、安い人件費で集めて、強豪へと生まれ変わった。

 

ビリーはそれまでの野球界の常識にとらわれなかった。

「どうすればアウトをとられないか?」という主観からデータを眺めた。

だからこそ、独自の仮説を立て、観察をし、データの価値を再発見するというサイクルに入ることができたのだ。

 

真似る

繰り返しになるが、優れた仕事に必要なことは、ホームランではない。

当たり前を積み重ねることだ。

だから、突飛なアイディアを思いつくよりも、基本を身につけることが、一番重要だ。

どんなフェーズにいる人も、まずは「真似る」。

 

実際にやってみるとわかることだが、一流の人をいざ真似ようとしても簡単に真似することができない。

たとえば、日本舞踊の人は、すり足で歩く。太極拳の動きはとてもゆったりとしたものだ。

観ている時は、簡単に真似できるように思う。

でも、やってみると、まったくできない。

身体が鍛えられていて、体幹がしっかりしていないとあんな動きはできないのだ。

真似ることすらできない。

そして、自分に何が足りないのかもわからない。

 

オリジナリティとは、型がないのではない。

型と型を組み合わせるときに生まれる。

いかに遠い型と型を組み合わせるかが革新を生み出す。

だから、「革新は、辺境から生まれる」と言われるのだ。

オリジナリティがあるものをつくるためには、型を携えて、辺境へ行く必要がある。

 

物語の基本構造

(1)「セパレーション」(分離・旅立ち) →(2)「イニシエーション」(通過儀礼) →(3)「リターン」(帰還)

 

1「ブッカーの喜劇」

2「ブッカーの悲劇」

3「シンデレラストーリー」

4「再生型・逆シンデレラ」

5「旅と帰還」

6「探求型」

7「モンスター退治」

 

物語 = 物語の型 × 自分の記憶(体験)

 

仮説

仮説を作るには、何らかの立脚点が必要になる。

①ディスクリプションによって立ち上がった言語

②定性的なデータ

③定量的なデータ

④型

の4つが、立脚点になって、仮説が生まれる。

自分の外を観察して、仮説を作り、観察を繰り返す。

 

観察には「仮説」が欠かせない。

仮説をもちながら世界を観察していると、その仮説を補強する情報ばかりが目に入り、それ以外の情報を排除しやすくなる。

それが「確証バイアス」だ。

 

世の中で俗に言われている「直感」や「センス」とは、思考を無意識下に置いて、予測してしまうもので、無意識に置くものが多くなるほど様々な仮説が思いつきやすくなる。

一定量の知識や経験があると、それを使って、無意識に仮説が浮かび上がってくる。

 

感情

感情を理解するためにまず大切なのは次の2点だ。

・感情とは選ばされているのではなく、自ら選んでいる

・感情にいいも悪いもない

 

観察を阻害するといったとき、ここで紹介した3つの要因──認知バイアス( =脳)、身体と感情( =感覚器官)、コンテクスト( =時空間)がバグを起こしやすいと意識しているだけで観察の精度は変わってくる。

僕は、この3つを総称して、「メガネ」と呼んでいる。

人間は、メガネをかけて、世界を見ている。

 

「怒り」というのは、大切なものがおびやかされることに注意が向いている状態だそうだ。

自分の価値観が否定される、というときに怒りはわきやすい。

また「悲しみ」は「ないもの」に注意が向いている状態だという。

 

たとえば、「怒り」を感じているとき、人はリスクを低く見積もる。

「不安(恐怖)」を感じているときは、その逆だ。

ものすごく強い敵が目の前に現れて、その敵に対して「怒り」を感じていたら、無鉄砲に立ち向かっていけるが、敵に対して「不安(恐怖)」を感じていると、リスクを高く見積もるので、逃げるという選択をするだろう。

また「怒り」を感じているときは脳が情報をあまりちゃんと処理しなくなる。

逆に「不安(恐怖)」を感じているときは、分析的に理屈っぽく考える。

 

面白かったポイント

興味深く読めました。

感情も含め、言語化能力が大事という話です。

 

満足感を五段階評価

☆☆☆

 

目次

第1章 観察力とは何か? 観察をめぐる旅への誘い
第2章「仮説」を起点に観察サイクルを回せ
第3章 観察は、いかに歪むか (認知バイアス)
第4章 見えないものまで観察する (感情類型と関係性)
第5章 あいまいのすすめ (正解を手放し 判断を保留する)

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