内容
カスタマージャーニーとは
出力としてのマップは「精度の高い仮説」となります。
ペルソナ
その人物像は属するセグメントに共通の属性を備え、それゆえに「代表性」を持っている。
カスタマージャーニーマップが重要な理由
それぞれの部門が専門領域を持ち、与えられた目標を達成していくこと自体は歓迎すべきことですが、部門の目標に最適化し過ぎるとサイロ化が進み、顧客視点で一気通貫した体験を生み出すことが困難になります。
カスタマージャーニーマップは、「顧客」という共通言語で異なる部門や経験、価値観をつないでいくアプローチです。
顧客は企業から「特別な個人」として扱われ、どんな接点でアプローチしても一貫性のある体験が得られることを期待しています。
対応するための仮説を素早く構築できます。
顧客を理解するスタンスが身に付く
さまざまな接点にまたがった顧客の行動や感情に想像力を働かせることができます。
チームや部署間で顧客を理解する姿勢が養われていきます。
社内の共通言語が生まれる
カスタマージャーニーマップの作成を通じて、顧客の行動や感情が可視化されるので、部署が異なっていても社内で顧客理解を軸にした共通言語が生まれます。
顧客視点に立った打ち手を考案できる
顧客の行動がスムーズに進んでいない箇所、感情が大きく下がっている箇所を発見し、新しい顧客体験や打ち手を考案できます。
フレームワーク
カスタマージャーニーマップの作成は、顧客についてのスピーディーな仮説構築法と言えます。
さまざまなアイデアを導き出し、収束させていくプロセスが組み込まれています。
それによって顧客が体験することを顧客視点で再構築し、自社の課題を見つけ、共有し、仮説や施策を考える土台を作っていくことができます。
「2週間」「3か月」のように期間を設定すること。
現実には明確な始まりもなければ終わりもないジャーニーを切り取ることで、顧客の行動や感情・心理の一部を洗い出し、分析や議論のためのテーブルに載せることができるのです。
たとえば、スタートを「自社の顧客になる前」、ゴールを「繰り返し商品やサービスを利用するロイヤル顧客になること」と定義した場合、数年かかるジャーニーを描くことになります。
スタートとゴールの状態として定義する項目
- ブランドの認知度
- ブランドへの好感度
- 購入経験
- 購入・利用頻度
- 年間購入・利用金額
- 会員・非会員
- ロイヤルティステータス
- NPS
顧客行動がカスタマージャーニーマップの土台。
行動モデル
- AIDMA
- AISAS
- SIPS
- DECAX
顧客接点欄では、顧客行動欄を見ながら、顧客視点で利用する接点をすべて洗い出していきます。
あくまでも顧客が軸になるため、自社が提供している接点に限定しないよう注意してください。
標準的なBtoBカスタマージャーニー
BtoBでは、ペルソナは何らかの課題を抱えた状態からスタートし、解決策によってそれが解消した状態がゴールとなるケースが多い。
ペルソナは何か課題を抱えており、それを解消するためにリサーチを行ない、課題を解決してくれるソリューションの選定を行ないます。
資料をダウンロードしたり、セミナーや見本市などに参加しながら選択肢を絞っていき、最終的にいくつかの会社に連絡して、営業担当者と会い、自分が望んでいるような効果があるのか、料金面で折り合うのかを検討していきます。
そして社内での稟議を経て、発注・契約に至るという流れです。
リサーチを始めてみるとどれが自社にとって良いツールなのか判断できず、迷いを感じています。
こうした感情を「感情カード」で可視化し、フキダシ型の付箋に山田さんの心の声を書き出して、困った感情を表すアイコンの近くに貼りましょう。
Sales Growth社に問い合わせすると、それまで抱えていた不安は解消され、「使ってみたい」と導入への意欲が高まります。
ここで感情はポジティブに傾きます。
その後、稟議にかけるための資料作成が思ったよりも大変で頭を抱えたり、導入後には、使い方がわからずとまどいを感じています。
しかし、最終的にはツール導入の成果が認められて、感情は最大限のポジティブに変化します。
稟議が通りやすい情報を盛り込んだ稟議書のテンプレートを準備しておき、提供する。
普及活動を社内の評価にきっちり結び付けることです。
「ビジネス指標の測り方・報告の正しい上げ方」といったガイドラインを文書で示すことができれば、自分の活動を価値あるものとポジティブに捉えることができます。
顧客ごとの利用状況に最適化したコミュニケーションになっていなかった。
面白かったポイント
カスタマージャーニーの書き方のポイントが分かりやすい。
そして、重要性も理解できた。
The Modelなど分業体制の組織は、カスタマージャーニーの作成を一番最初にやるべきですね。
満足感を五段階評価
☆☆☆☆☆
目次
第1章 カスタマージャーニーマップとは
第2章 ワークショップを成功に導くために
第3章 マップを作ってみよう(B2C編)
第4章 マップを作ってみよう(B2B編)
第5章 事例で学ぶマップの活用
‐B2C事例:チャコット、バリューマネジメント、JCB
‐B2B事例:トレタ、ビズリーチ、ユーザベース
第6章 マップからアクションにつなげよう