内容
組織
私としては、そういっては語弊があるけれども、創業期の会社にはあまり優秀な人は入ってこない。
企業が成長して、実績ができて、まして有名になってくれば、人材は集まってくるだろう。
そのときまでに部長だとか課長だとかの階級をつくってしまうと、身動きがとれなくなって、将来に禍根を残すだろう、という考えがあった。
だから、みんなから要望があり、総務の人たちからも矢の催促でしたけれど、私は組織をつくらせなかったんです。
重役
重役とは一体なんだろうかといえば、未知への探究をする役です。
重役が未知への探究をしないで、後始末ばかりしている掃除屋であってはならない、というのが私の考えです。
重役になるくらいの人は、なんらかのエキスパートです。
そういう人の担当部門をなくし、部下を管理するわずらわしさから離れてもらって、身一つで大部屋に集まってもらおうというのが役員室です。
重役は何もしなくていい。
おれもそれでやってきた。
何もないゼロのなかから、どうあるべきかという問題を探すのが重役の役目で、日常業務を片付けるのは部長以下の仕事だ。
所長であったり重役であったりするのは、対外的な面子もあり、交渉のときにまずいからそうなっているだけで、重要な問題ではない。
経営信条
私の経営信条は、すべてシンプルにするということです。
シンプルにすれば、経営者も忙しくしないですむ。
そのためには、とにかく一度決めたら、それを貫くことです。
状況が変わっても、一筋の太い道を迷わずに進むことです。
面白かったポイント
本田宗一郎と二人三脚でホンダを大きくしてきた経営者。
内容は若干ライトなテイストではあるが、本当は数えきれない苦労があったのだと想像される。
満足感を五段階評価
☆☆☆☆☆