内容
自発的に行動したくなる条件
- やりたいからやる
- 行動するのが楽しい
- 行動したあとにいいことがあるのを知っている
ごほうび
ほうびや称賛は本人にとってメリットであり、行動を促す動機付け条件となります。
ならば、行動にメリットをくっつけ、実行に向かわせようというのが行動科学の考え方です。
行動するたびに称賛やごほうびを与えていると、それ自体が次の動機付け条件となります。
グラフも同じで、行動データの動きを眺めることが一種のごほうびとなり、動機付け条件として作用します。
クレーム処理から逃げ出したい人は、電話応対が三件に達するごとにごほうびを出す。
うまく処理できたかどうかは、この段階では二の次です。
とにかく三件処理したらごほうびを出します。
これによって行動が強化され、次の三件も自発的に応対できるようになります。
逃げたくて仕方なかった仕事にニードとメリットを感じ、楽しむことも徐々にできるはずです。
強化の上手な使い方は、個人的な喜びを感じにくい場合にメリットを付け加えることです。
達成感はあるが、うれしいというほどではない。
しかしその行動を繰り返したい。
このような場合にこそ、強化は最も効果を発揮します。
行動を強化するための注意点
- 「すぐに」強化すること。
- ルールを「確実に」守ること。
〇〇したら〇ポイント。
これだけでいいのです。
「これを実行すればポイントがもらえる」という因果関係を単純化し、行動する環境を整えましょう。
ルールはできるだけ簡単明快にしてください。
ハードルを低く、ルールを単純に。
これが長続きの秘訣です。
環境を整える
こうした条件をそろえ、早寝早起きしやすい環境を整えます。
動機付け条件は、ターゲット行動にニードやメリットを付け加えること。
すなわち自分に対するごほうびと考えてください。
こうして新しい行動が軌道に乗ってきたら、ごほうびは週単位に切り替えるといいでしょう。
自分に言い訳をして挫折したとき、多くの場合はハードルの高さが原因です。
時間的ゆとりが行動の先延ばしを招いているなら、時間に追われる状況を作りましょう。
「何時までに仕上げます」と上司に宣言したり、あえて数時間後にアポイントを入れたりしてタイムリミットを設定します。
やる気になれない場合は、ポイントカードを使ったごほうびによって行動を強化するといいでしょう。
やりたい作業がほかにあるなら、その作業自体をごほうびとして位置付けるのも有効です。
より現実的な方法としては、納期管理に他人を介入させる。
一時間おきに経過を報告する。
気が散る原因、つまり他の業務に関するものをすべて引き出しの中にしまう。
こうした工夫が防波堤となり、誘惑する行動そのものをなくしていきます。
つまり、ライバル行動をなくすことができます。
グラフ化
それは効果を確認し、現在の方法が間違っていないかどうかチェックできることです。
行動が増えたか、減ったか、あるいは変化がないか。
数値に表すとこれらを正確に見極めることができます。
主観に頼っていると、どうしても見極めが甘くなりがちです。
一番いいのはグラフにすることです。
国家試験合格を目標とする人は、毎日の学習時間と学習量をグラフに表します。
職場の人間関係の向上をめざす人は、声をかけた回数とかけられた回数をグラフに表します。
こうして行動の成果をビジュアル化すると、過去と現在の比較によって自分の現状を把握できます。
全体的な傾向が見えるので今後の方針も立てやすく、行動を変えていく一助となります。
行動科学の対象はあくまで行動であり、結果はあとからついてくるものです。
行動をコントロールすることで結果を変えようというのが行動科学の考え方ですから、測定するときも結果だけではなく、行動に焦点を合わせます。
どんな行動をしたか。いつ行動したか。何回行動したか。これが測定する対象です。
行動とは結果に至るプロセスだと言えます。
したがって測定する行動は、結果に直結したものでなければ意味がありません。
グラフによる自己管理は、データ的な裏づけのある自信をもたらします。
行動開始後、毎日のデータを積み重ねていると、必ず何かが変わります。
一週間で七日分の実績が蓄積され、一カ月で三十日分の実績が蓄積されます。
この実績の量は自信に変換されるのです。
「自分も実行できるんだ」という裏づけのある自信に変わります。
自信が深まってくれば、次の目標をさらに高く設定することも可能になります。
自己成長を確認できるツールとして、グラフの持つ力は絶大です。
測定のポイント
- それは結果につながる行動か?
- 継続に必要な行動か?
「実行力」を身につけたい人は、行動するための環境(条件)をまず整える。
行動科学の考えに基づいて環境を作り、行動が持続する条件を意図的に整える。
すなわち行動反応率を上げる仕掛けを作る。
そうすれば「実行力」は自然と身に付きます。
身に付かないほうがおかしいのです。
「実行力を身につけたい人は、行動に焦点を当てなさい」
その日どんな行動を実行したか、一日の終わりに記録しましょう。
行動の内容、回数、結果を記すことで、行動の一つひとつを自分なりに総括することができます。
うまくいった理由、失敗した理由、明日のためのヒントなど、思いつくことは何でも書いてください。
面白かったポイント
PDCAをまわすことについて具体的に書かれた本です。
とにかく実行力をつけるには、仕組みを作ることです。
何のために行動するのかを明確にし、数値化・グラフ化で成果をひと目で把握できるようにし、環境を整え、無駄な行動を減らすこと。
これが実行力を上げるポイントです。
当たり前のことを当たり前にやるために、定期的にこの本を読んでできているかどうか確認することで実行力は上がると思います。
満足感を五段階評価
☆☆☆☆
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